FC2ブログ

20年前の衝撃、 「ゴン禁止令」 を再考する。


「公団」 と名のつくところに入り込んで、働いていたことがあるが、
私が配属されていた隣の課に、「村井(仮名)」 という職員がおられて、
今朝はその方のことを急に想い出した。

私は当時 20代前半。彼は 3つ,4つ、年上だったと思う。
血色の良い丸顔に、丸いメガネ。愛嬌がにじみ出ているような丸い身体。
その真ん丸な容姿と心根で、彼は周囲からとても慕われていた。

そんな村井さんだが、彼はなぜかこう呼ばれていた。

「ゴン」 「ゴンちゃん」

確か、名前に 「厳」 などの 「ゴン」 は付いていなかったと記憶する。
今となっては、その由来を知る術はないが、
とにかく彼に、「ゴン」 はピッタリで、
フィットしすぎていて、そのニックネームの由来を知ろうとも思わなかった。
         
              ◇

ある人に、自然発生的に、ぴったりフィットの 「あだ名」 がつく。
ま。ありがちな話である。

だが。ある日、上の者から次のような指示が、全課に下りて来たので、
このありがちな話が、ありがちでなくなり、20年以上経った今も覚えている。

その指示はこうだ。

「職場で村井さんのことを 『ゴン』 と呼ぶのはよしましょう」

つまり、「ゴン禁止令」 だ。

               ◇

凄い事態だ。
随分年月が経ったので、皆が、どういう反応を示し、どう対処したのかは覚えていないが、
おそらく。

「いや、あのう。ですね?」

「……」

「あ……」

「へ?」

というような、波動がフロアに広がったに違いない。

              ◇

この事例には、2つの大きな問題が潜んでいる。

一つ目は。
当時、いわゆる 「天下り」 といわれる人が、露骨に新聞を読みにだけ出勤しておられた。
そういう人たちが、「たまには仕事をしなきゃですな」 と機転を利かせたのが、
この 「ゴン禁止令」 の発案に至ったのではないかという疑惑だ。

「退屈だなあ。いっときますか、あれ。職場でゴンはいかんでしょ」
「あ。ところで、もうすぐここの退職金もゴンゴンですな。ウシシ……」

あくまでも。私の勝手な妄想だが、上層部でこういう話し合いがもたれていた気がする。

              ◇

2つ目はやはりこれだ。

新人で 「谷岡 厳(たにおか ごん)」 が入ってくる。

深刻な問題である。

なぜ、このご両親は、せめて 「げん」 にしなかったのだろうか?

似たところで、勲(いさお)や巌(いわお) もあるだろうに。

まったくもって、悲劇である。


Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。