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私の「漱石」と「龍之介」  内田百閒


なにから、どういう経緯で、百鬼園先生の小説に出会ったのかを、
先日来から想い起そうとしているが、判然としない。

15年前はお名前すら知らなかったのは確かである。
それと、2年前は存じ上げていたことも確かであるからして、
ざっと見積もるに、2000~2010年 の10年の間に、
かなりの勢いで私の意識の中へと浸透し、
ドンッ と、大きなな位置付けとなった。

そして、他の何を読んでもそれほど面白く感じなくなってしまった。

     ◇

とは言うものの、百鬼園先生の書物ばかり読んでいるわけではなく、
むしろ、しばらく遠ざかっていたのだが、
何かの拍子にこの本のレビューを目にして、一目散に書店へと走った。
確か、Amazon のレビューだったと思うが、
次のような意味のことが書いてあったのだ。

「まだ最後まで読んでいないのですが、あまりにも面白いのでレビューします」

私はこれまで、これほどに 「そそる」 レビューにお目にかかったことがない。
本来なら、「最後まで読んで書け!」  と叱責されそうな振る舞いだが、
我慢できなかった感が滲み出てて、
こちらとしては、その波動にすっかり呑み込まれてしまった。

実はこの本、何度か書店で手にとっては、
「何か、ちょっと違うな」 となって戻したことがあるのだが、
そういう躊躇なんかブチのめしてしまうレビューだった。

     ◇

本来ここに書きたいことから逸脱しそうだが、
これからのレビューや口コミ、推薦、おススメの類は、
こういう手法が主流になる気がしてならない。

「これ、おすすめの映画です! まだ最後まで見てないのですが……」
「このディナーコース大満足で~す。途中だけどね」
「この新発売のカメラ最高! まだ使ってないけど」
「この新車の加速はスゲエ。いや。これから、乗るんだった」

もう。メロメロである。

     ◇

落ち着こう。

実際に読んでみて、この本はかなり面白かった。
何せ十数ページ読んだだけで、
納得し、感心し、歓喜し、苦笑し、吐息し、悩み、悶絶し、爆笑し、
そして涙した。

むろん、これらの感情は、この前に先生の数冊の小説を熟読し、
映画や雑誌やWEBなどで情報を得ていなかったら湧き出なかっただろう。
あるいは。私自身の数奇な運命抜きには計りえなかった部分もあろう。

    ◇

私からすると、百鬼園先生の最大の魅力は、
その 「弱さ」 である。

人は弱い。というか、私は弱い。
くじけ、膝をつき、うずくまり、頭をかかえ、卒倒し、
傷つき、その痛みにまた顔をしかめる。
むろん。誰にでもそういう側面や状況があるだろう。

ただ。そういう最中、自身のことは中々直視できないし、
ましてや文章として遺せる人は稀有ではないだろうか。

「こういう目にあったが、こんな風に乗り越えました」
的な文章ならいくらでも書店に溢れているが、

誰が駄目さを立派に貫き通うせようか?
誰が東京大空襲の際も酒をちびりと呑み、
そして、その駄目な状況を誰が文章化できようか?
誰が、追い込まれた先で、ジョークや皮肉が書けようか?
叱られそうだが、何ら乗り越えてなさそうだし、
ただただ翻弄され放題で暮らしておられた気がする。

ギリギリのふちでの可笑しみ。

    ◇

さっき書いたことと矛盾するが、
先生の最大の魅力はその 「強さ」 である。

百鬼園先生のペンは誰にもこびない。

終始、出版を前提に書かれてあるのは明白だが、
売り物特有の白々しさが見当たらない。
というか、そんなものを探しながら読んでいるわけがないが、
この後に何を読んでもみな白々しく感じるので仕方がない。

     ◇

何を書こうとしていたか、わからなくなってきた。

ともあれ、まだ途中である。

続きを読もう。



◇2番目のレビューがそれ。

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